X-RAY MIRRORとは
What is X-RAY MIRROR
By CC BY-SA 4.0, Link
X線は可視光同様に光の一種です。
物質と多様な相互作用を示し、可視光観察では得られない情報をもたらします。
X線を試料表面に微小集光すると、試料物質と局所的に相互作用します。
得られる信号を解析することで、化学組成・微細構造・物理化学的機能などの情報を高空間分解能で知ることができます。
観察の高分解能化はいかにX線を小さく集光できるかに左右され、それはX線ミラーの品質(形状精度)にかかっています。
夏目光学では多様な形状の高精度X線ミラーを製造/販売しており、SPring-8をはじめとする放射光施設や大学、企業など多くの研究機関の最先端の科学成果創出に貢献しています。
solution
ELLIPSOIDAL MIRROR (MONOLITHIC) 回転楕円ミラー(モノリシック型)
直方体ブロックの基板の1面に回転楕円面の一部をもつ集光用ミラーで、楕円体の1つの焦点から発した光を他方の焦点に集光します。
トロイダルミラーよりもはるかに大きな縮小倍率を実現可能で、解析装置に高分解能化、検出時間の短縮等のメリットをもたらします。
モノリシック型ミラーを用いた光学系では、加工限界の兼ね合いからミラー試料間の距離が200〜300mm以上になります。
試料周辺のスペースを比較的広く取りたい場合に適しています。
- 標準基板外寸:長さ~420 mm,幅~50 mm,高さ~50 mm
- 基板材質:合成石英,単結晶シリコン,低熱膨張材料
- 反射面材質:基板材料素地,金,シリコン,その他
- 用途:検査装置,ラボ光源の集光,放射光集光
ELLIPSOIDAL MIRROR (CAPILLARY) 回転楕円ミラー(キャピラリー型)
キャピラリー状の金属体内面に回転楕円面を持つミラーです。
モノリシック型の回転楕円ミラーと異なる点は、ミラー試料間の距離が100 mm未満のコンパクトな光学系に適用可能なこと、ミラーの全周を使用可能なためX線管などの市販光源のように発散角が大きい光の高効率集光に適することが挙げられます。
市販装置ではミクロン集光、放射光実験ではサブミクロン集光に使用されています。
- 標準寸法:長さ~120 mm,内径 4~20 mm
- 基板材質:ニッケル,銅
- 反射面材質:ニッケル,銅,金
- 用途:検査装置,ラボ光源の集光,放射光集光
WOLTER MIRROR (MONOLITHIC) ウォルターミラー(モノリシック型)
直方体ブロックの基板の1面に回転楕円面と回転双曲面の一部をもつ集光用ミラーです。
両面は互いに1つの焦点を共有しています。
楕円体の1つの焦点から発した光を各面で1回ずつ反射させ、双曲面の共焦点ではない焦点に集光します。
許容可能なアライメント誤差が回転楕円ミラーよりもはるかに大きいことが魅力です。
アライメント時間の大幅な短縮と位置的に長時間安定した集光を可能にします。
- 標準基板外寸:長さ~420 mm,幅~50 mm,高さ~50 mm
- 基板材質:合成石英,単結晶シリコン,低熱膨張材料
- 反射面材質:基板材料素地,金,シリコン,その他
- 用途:検査装置,ラボ光源の集光,放射光集光
WOLTER MIRROR (CAPILLARY) ウォルターミラー(キャピラリー型)
キャピラリー型のウォルターミラーは容易なアライメントと縦横サブミクロン集光を同時に満足するミラーです。
各種放射光実験や軟X線自由電子レーザーの集光/結像に使用されています。
- 標準寸法:長さ~120 mm,内径 4~20 mm
- 基板材質:ニッケル,銅
- 反射面材質:ニッケル,銅,金
- 用途:検査装置,ラボ光源の集光,放射光集光
R & D 要素技術開発
既存形状のミラーでは実現できない新たな光学機能のコンセプト実証のために、新奇ミラーが提案されています。
形状実現に向けた加工/計測プロセスの要素技術開発を通じ、研究者の野心的な挑戦を支えます。